婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
腕時計を見ると針は4時を指している。
しまった・・これからダッシュで慧を家まで送って
その後一旦家に戻れば何とかなるかな・・
「何かあったの?」
ない頭を一生懸命使って時計と睨めっこしてるあたしに
慧が顔を覗き込んで聞いてくる。
「今日は響汰のご両親と夕飯を食べる約束してるの」
取り敢えずタクシーで行って・・
「・・ねぇ知ってる?」
「へ?」
「俺の車、あそこで待ってるんだけど」
そう言って指をさしたその先には
真っ黒の高級外車が止まっていて
黒いスーツを着たお爺さんがこちらをずっと
見ている。
「・・あれが?」
「そう。俺のお迎えの車」
ひゃ~凄い。
さすが息子
さすがお金持ち・・
「ほら行くよ」
「え?」
あたしの腕を掴んで引っ張った。
「ちょっと待って、車があるんだったらあたしもうここで」
ここで解散してもいいんじゃ・・
「何言ってんの?俺のお世話係になったんでしょ?」