婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
はっとして横を見ると
何故か困ったような笑顔を見せる響汰。
「響汰、今あの子って・・」
どうして響汰が知ってるの?
「あぁ。俺も最初はまさかって思ったけど。
でもなんとなくまだ子供かなって思って」
「そっか・・」
やっぱり響汰も知ってたんだ。
そうだよね
いくらスーツを着てたって
成人には見えない、よね
「あの子と一緒にいたの?」
あたしの方は見ずにゆらゆら傾けているグラスをじっと見ている。
「う、うん。でもあたし」
「分かってる。俺も大人だし。葵の事は信じてるしな」
ポンポン
温かくて大きな手があたしの頭をなでる。
大好きな手。
いつも
「葵の手は小さいな~」
なんてバカにしながら、繋いでくれた大きな手。
響汰の優しさはいつだってあたしを包んでくれる。
あたしにとってとても大事な人。
じゃあ慧は?
慧はあたしにとって
「何考えてるの、あたし」
「え?」