婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
イマイチ何を言ってるのか分かってなさそうな慧に
「だから!!ファイナルファ」
「ぶは!」
ぶ、ぶは?
「あはははは!!」
何かを言い返そうとするけど、
慧の大きな笑い声で言いたい事が全部ひっこんでしまう。
「ちょっと慧」
慧の腕を引っ張って揺さぶるけど
「あ~葵がゲーム?あははは」
全くおさまりそうにない。
「ちょっと」
いくらなんでもそこまで笑わなくたってよくない?
「慧のバカ!!」
「ごめ、さすが葵」
親指を立ててウィンクをして見せる。
もう、何がさすがよ!!
こんな恥ずかしいこと、言うんじゃなかった。
「もう帰る」
プイッと反対を向いてドアを開けようとしたあたしに
「ごめん、悪かったって」
あたしの上に慧の手が重なる。
ドキ
たかが手が重なっただけなのに。
どうしてこんなにドキドキするの?
「な?帰んないで」
あたしの頬に手をかける慧。
その手が
あたしを見るその瞳が
すべたがあたしの鼓動を速くしていく。
「帰んない、よね?」
そんな悲しそうな顔で言わないでよ。
「・・うん」
それしか言えないじゃない。
「良かった~」