婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
ポロポロと頬を伝う涙が乾いた地面に落ちていく。
拭っても拭っても意味がないくらい沢山流れる涙。
もう目の前に車はいなくなっていて。
それに気付くと
ペタンと座りこんでしまう。
どうして?あたし傷付いてるんだろ?
良かったじゃん。
もう慧に変なことされなくていいんだよ?
ただ一緒にいるだけでいいんだよ?
結婚しなくても・・いいんだよ?
でも
だけど
「葵は絶対に俺の事が好きになる」
「俺の事、好きになった?」
思いだされるのは慧の甘い言葉。
悪戯っ子のような笑顔。
あたし
いつの間にか好きになってた。
慧の事。
なんて今更気付いたって遅いかもしれないけどさ・・
「いいのですか、あのような言い方をされて。
本当に良かったのですか?」