婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?



「え、盲腸ですか?」

急いで呼んだ救急車に乗って病院に着いて。


お医者様からの診断結果は盲腸だった。


「そうです、盲腸です」


先生の頷きに


「そう、ですか。盲腸ですか・・」


あたしまで一緒に頷いてしまう。


「そうです、盲腸です」


盲腸・・ね・・


その言葉にやっと安心したあたしは

「葵!!」

ぺたりと床に座りこんでしまった。








入院は数日で済むらしく、直接お腹を切ることはないみたい。


あたしと一緒に来てくれた慧は取り敢えず今日は由紀のご両親に
お任せして帰ることにした。


「ごめんね、今日」

あたしの数歩前を歩く慧に
お礼を言うと。


「ホントだよ。まさか24にもなって救急車呼べないもんな」

こちらを振りかえってクスリと笑う。



うう・・


面目ない。


そう。

痛そうな由紀を見てオロオロしていたあたし達に
慧は素早く携帯を取り出して救急車を呼んでくれた。

全く慧の方がしっかりしてるよね。


「まぁ、でも良かった」


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