婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
言葉が見つからない。
多分、目の前の慧に相当酔ってるんだと思う。
「あたし」
そこまで言うと慧は
静かにキスを落としてきた。
木々が風に揺られてザワザワいっている。
なのにちっとも寒くないのはもう夏がすぐそこまできているから。
長いキスを終えると
「葵はさ、いつも嫌がらないよね」
寂しそうな声。
どうしてかな?
そんな声でさえ愛おしくおもってしまう。
「慧、あたし」
「別に嫌だったらいいんだ」
つい今まで触れていた手はスッと離れて。
頬が何故か冷たく感じる。
「イヤなんて」
「でも、これからは少しでもいいから俺の事考えてみてよ」
慧の言葉にこくんと小さく頷いた。
まだ、
まだ好きなんて言えない。
いろんな問題がありすぎて
まだあたし慧の元に
いけない・・