キススキ
仁奈ちゃんあっち行こう!」

「う、うんっ、」


あたしは外山くんに連れられて、

階段の入り口にある

ちっちゃな屋根の下に隠れた。

外山君は座ってあたしに隣に来るように、

手招きして隣を指さす。


ザァァ――――――――


次第に音は増して...。


ゴロゴロゴロ――――


「きゃッ...。」

「うっ...。」


あたしたちは雷に反応して、

向かい合う形になってしまった。


「「・・・」」


気づいたら外山君は

顔を真っ赤にして、

あたしを避けてあっちを向いていた。


「こわいの・・?」

「こわくねぇよっ。」


図星。

ほんとは怖いくせに...。

外山君にしては冷静な答え方だったから、

なんだか余計におかしくて...。


あたしは腹を抱えて笑った。




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