キススキ
「な...なに笑ってんの?」

「だって...。ぷっ...。」

「は?何で笑ってんの?...え?」


外山くんはたぶん、

図星だったことに気付いたあたしに

気づいたのかもしれない。

ずいぶんしつこく理由を聞きたがる。


「おっしえなぁいっ」


あたしは最高の笑みを

外山くんに見せびらかして、

最後にはあっかんべぇってした。


「外山くん?」


一瞬外山くんの表情が曇った。

あたしが笑顔を見せた時だった。

そんなにブサイクだった...?


「え?あぁ、ごめん...。そろそろ戻る?」


そういって親指を

階段のあるドアに向けて、

あたしに答えを求めた。


あたしは応えられなかった。

外山くんといるとすごい楽しいから。
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