キススキ
「ふぅん。じゃあ教えてあーげないっ」

なによ。

耶弥のいじわる。

絶対あたしが知りたがってるの

分かってたくせにー...。


「なに?キスしたいわけ?」

「うわっ!」

低い男の人の声が

後ろから聞こえたから、

内容よりもそっちの方に驚いちゃって

肝心なセリフを聞き逃した。


「そ、そんなに驚かなくたって...。」


彼があたしたちの横に座ると、

他の女子生徒の目が

あたしたち2人に突き刺さる。


なぜなら彼は王子様の外山くんだから。


「で...今何て言ったの?」

「え、だからぁ、キスしたい?って。」


・・・・・。

超沈黙なんですけど。


「ホントの事言っちゃいなよ仁奈っ」


耶弥は間に入って

あたしをおちょくる。


なによみんなして、からかってばっか。
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