キススキ
それを聞いた王子様は、

イタヅラな目を光らせて


「へぇ、したいんだぁー」


と、満面の笑みをあたしに見せた。


図星のあたしは、

顔をリンゴみたいにして

そっぽを向いた。


これじゃあさっきの外山くんと一緒じゃん。


「これ、さっきのおかえしね。」

「え・・?」


人差し指を口の前に持ってきて、

内緒のポーズをとる王子様を見てしまうと、

なんだかくらくらしてしまう。


「え?なに?さっきって?」

女子たちが外山くんと入れ違って、

あたしに迫ってくる。


あぁ。これで五分五分ってことか。

雷が嫌いなことと、キスしたいこと。

っていっても...。

抱えている爆弾が違いすぎませんかぁ...。
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