キススキ
ガチャッ--------

非常階段の入口の扉が開いた。


誰だろう...。

ここ居るのバレたらやばいかも...


「ここトイレなの?」

「へっ?!」

あたしは聞き覚えのある声に驚いて、

下まで響くような声を出してしまった。


「と、外山くんっ...。なんで?」

「んー...。テレパシー」


そう。外山くんが扉の前に立っていた。


「ふざけないで。」

あたしはからかう外山くんをにらみつけた。

「おぉ怖い」とでも言うように

外山くんはあたしの隣にちょこんと座った。


「あのさぁ...。何でここに居るの?」

外山くんに聞かれる前に

あたしが聞こうとしたセリフ。


「お姉ちゃんの付添。人数合わせ。」

「まぢ?俺も姉貴の付添ー」

「ほんと、勝手だよねー。」

「だよなぁー。」


そこであたしたちの会話は途切れて、

沈黙が続いて、風が通り過ぎた。
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