キススキ
キスしたいの?

なんて知ってるくせに...。


「・・。したい。」


あぁ、外山くんどん引くだろうなぁ...。


そう思ってあたしは、

赤いパーカーで顔を隠した。


「じゃあ、キスしていい?」

外山くんは何か言ったけど、

あたしには全く聞こえない。

春なのに冬のような強風のせいで。

「・・。へ?」

外山くんなんて言った...?

「いい?」

「いいって何が?」


あたしはパーカーを羽織り直して

外山くんに聞いたけど、

外山くんは応えてくれない。


「じゃあ、イエスかノーで応えて。」

「えぇ・・。ん~、じゃあ...イエス・・?」


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