キススキ


「ただいまぁ」

「おかえりなさい、遅かったわねぇ」

お母さんが玄関へ小走りで来た。


もう9時だ。


あたしはお母さんと目を合わせられなかった。

だって...。キス...。

しちゃったんだもん・・。


ボフッ--------

自分の部屋に閉じこもって、

枕の上に顔を伏せる。

そのしぐさは誰からみても

どこから見ても照れ隠し。


「ファースト...。キス...。」


ほんとにドキドキした。

でもあれは初めてだったから。

外山くんじゃなくても、

ドキドキしたかもしれないじゃない。


キスなんて...。

キスの相手なんて...。誰でもいい。


あたしはただキスを求めていただけ。



そうでしょ・・・?
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