キススキ
夏美先生...。もう帰ったかな...?
9時かぁ・・。
もう帰ってるよなぁさすがに・・。
「まぁそれは大変ですねぇ。」
「そうなんですよォ。」
って...。何話しこんでるのよ。
夏美先生挨拶しに来ただけじゃないの?
40代のお母さんと
1時間以上話しこんでるなんて...
おばさんになる日も近いね。夏美先生。
「おっ、仁奈ーっ、大丈夫かぁ?!」
「お姉ちゃん......。」
お姉ちゃんは退屈してたのだろう...。
あたしが来た瞬間、
暇つぶしの相手を発見して目が光った。
まぁこっちにおいでとでもいうように、
自分の隣を指さしてソファを叩いた。
「どう?よくなった?」
「うん、まぁね。さっきよりは。」
嘘じゃない。
寝たらほんとによくなった。
でも・・。学校には行きたくないな......。
「そう、じゃあ明日休まなくてすみそうじゃんっ」
「だね。」
「なによォしけた顔しちゃってさっ。」
「なぁんでもないお~...。」
あたしはあくびをしながら応えた。
あくびで涙がこぼれそうになる...。
違った。
涙がこぼれそうになったから、
わざとあくびをする振りをしたんだ。