キススキ
ジリリリリリリ------


「嫌っ!」

て・・。え?

いまのって...夢、だったの・・?


ドンッ--------

あたしが叫んだとほぼ同時に、

部屋の扉が大きな音を立てて開いた。

衝撃が大きすぎて、くまのぬいぐるみが

化粧ダンスから落ちた。


「どうした仁奈?!」

「どうしたのよおっきな声出して?!」


お母さんとお姉ちゃんが

一緒に喋ったから、何言ってるかよく分かんないし。


「ごめん、夢みたい。」

そう打ち明けると、

手品のタネがつまらず

しょぼしょぼと帰るような客みたいな顔して、

2人は出ていった。
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