キススキ
「戸毬、アウト」

すごくいじわるな

上阪先生は、

教室の扉を開けてゼーハーしてるあたしに

親指をつきだして笑った。


「先生おまけしてよう」

「あぁ?」


こうやって上阪先生に

おねだりが出来るのは、

たぶんこの学校であたししかいない。


「うえさかせんせーえ」


あたしはわざと幼児みたいな声を出す。

ほんと遅刻お姉ちゃんにばれたら

まぢやばいんだからさぁ...。


でも先生はどうでもいいように


「あー、そうそう、転校生」


って、あたしのお願いを流した。

上阪先生ってSだよねぇ。

ってみんながいう理由が、

やっと分かった気がする。
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