ラスト・ライフ
「6年も同じになれたらいいねー!」
「だよねー」
3月。昨日、5年生が終わった。
そして、明日は凛子が引っ越す日。
愛美は見送りに行くんだって。
私も誘われたけど、凛子の顔なんて見たくないから、用事があるってことにしといた。
これから幸せになるって言うのに、悪者の顔なんて見たくないでしょ?
自分、性格歪んだなあ…。まあ、凛子のせいだし!
「凛、明日本当にこないの?」
「うんー。明日はちょっと、ね…」
「あたしさ、実は行きたくないんだ」
「そうなの?」
「凛子のこと、ずっと嫌いだった」
嘘つき。嫌いなんて、嘘でしょ。
私がそれにのってくるようにしてるんでしょ?
全部知ってんのよ。あんたらのことくらい。
まあ、今日は凛子がいなくてよかった。
引っ越しの準備だって。午後から来るらしいけど。
本棚にでもつぶされて死んでしまえ!なんて思った私はすごい性格。