ラスト・ライフ

「福井優です。よろしく」

「石野喜世。よろしくね!」

「優も、絵を描くのが好きなんだよ」

「そうなの?喜世も好きだよ!」

「家の方向も、喜世と一緒だしね。私は反対」

「でも優、凛ちゃんと遊んだりしたよね!」


…小さい子。私、喜世ちゃん、優はクラスで小さい女子3人組。
背の順だと、優、喜世ちゃん、私。あまり変わらないけど。


「凛ちゃん?」

「ごめんね。何もないよ!」

「そうだ!ねえ、皆呼び捨てにしようよ!」

「私は、優だけ呼び捨てだ」

「じゃあ、喜世は喜世でいいから!」

「優も、優で!」


その日から、皆で呼び捨てできるように頑張った。
でも、呼び捨てに成功したのは私だけだった。
喜世を喜世と呼び、優を優と呼ぶ。
優は、喜世を喜世ちゃん、と呼び、喜世も優のことを優って呼ぶ。
でも、喜世はたまに、私のことを凛、と呼んだ。
それからずっと、私たちは一緒に行動している。
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