甘い夏 煙草の匂い
6月
無理矢理、仲良し?
「りゅーたー。宅呑みするよー。」
仕事で疲れた身体をソファに預けていた。
テーブルに置いていた携帯が鳴り、相手を確認もせず出ると、甘ったるい声が聞こえてきた。
百合子か…うるせぇ。
「気がむいたらなぁ。」
「なによぉ。レコーディングの打ち上げも兼ねて誘ってるのにぃ!
今日は新メンバーもいるのよん。」
「新メンバー?どこの?」
「いや、あたしの友達。あんたも知ってるコよ。」
「は?誰?」
「来てからのお楽しみ!じゃーねー。」
…そういって百合子は、一方的に電話を切りやがった。
…あー、どうしよ。マジめんどいけど…。
酒を呑みたい気分でもあるし、進也も来るだろうし…チョイ遅れてから行くか。
…そう思ったが、百合子とは同じマンション…。「遅いから迎えにきたぁ!」なんて事もありえる…。
しょーがねぇ、行くか…。
「おう、早ぇな。」
「おう、お疲れ。」
進也と軽く会話を交わして、百合子の部屋に入っていった。
百合子んちがキレイに掃除してある…家政婦が来たか。
「あ、真那ちゃん、龍太が来たよ。コップ追加してぇ。」
「マナチャン?」