甘い夏 煙草の匂い
拾い上げて見ると…肩を並べて歩く真那と…
「…進也?」
2人は仲良くコンビニ袋を持ち、ニコニコしながら歩いていた。
「…おととい、真那と百合子が俺んちに泊まりに来たんだよ。」
「んで?」
「百合子が風呂に入っている間、ジュースを買いに行くと言ったから、ついて行っただけだよ。そん時に撮られたんだな。」
「ふ~ん…。」
A4サイズの紙を見ると、以前よりも短い文章で
『コノオンナ、ヤリマン』
とだけ書かれてあった。
「…お泊り会?」
「は?」
「俺、何にも聞いてねぇ…。」
「…俺も、聞いてなかったけどな…。突然の訪問は、百合子の得意技だろ?」
進也と真那のツーショット写真を見せられた事よりも、仲間ハズレにされた事が…ショックだった。
正直言って、進也の事は心配していない。
どんなに他の女に言い寄られても、決してフラフラする事がなかった。
昔から硬派な進也。ブリブリアイドルな百合子と付き合う事になった時には、正直驚いた。