甘い夏 煙草の匂い
事務所に戻り、真那を探す…いない!
外の掃除を終え、中に入ったか?
仕事が終わったとしたら…事務室に寄るハズだな。
エレベーターに乗り、事務室がある階で降りると…
「ハイ、確保。」
デかい男に拘束された…。
「な…抱きつくな!」
「失礼だなぁ。捕まえてるだけだよ?逃げたまま帰って来ない誰かさんをね。」
栄四郎とじゃれあっている隣で、呆れ顔で立っている進也。
「コイツどうにかしろっ!」
「栄四郎?第2会議室まで。」
「ラジャ。」
「…うぉい。」
情けない姿のまま、移動…いゃ、連行される…。
「はぁい。サボりの龍太くん?自習のお時間ですよぉ?」
今日は先月撮ったPVのチェックを、社長を含めてするハズだった。
「社長が『お前らに任せる』だってさ。もうすぐ関係者も来るから、大人しくしてろよ?」
「…へぃ。」
真那に会いたかったなぁ…。
フテくされていたら、進也に足を蹴飛ばされた。
「…ってぇ!」
「いい加減にしろよ?暴走しっぱなしだろ!
真那も俺達も、今は仕事中だ!
邪魔すんのもサボんのも許さねぇぞ!!」