甘い夏  煙草の匂い



― 10分後。



「やぁだぁ。百合子さん達、遅いですねぇ?

ひゃははは~!」


「…ん~そうだねぇ…。」


…変わり果てた真那の姿が、そこにはあった。


酔ってる?酔ってんのか?


さっきまではフツーだったのに…。


「ねぇねぇ、上杉さぁん。」


「…はい?なんでしょか?」


「ふふふ。私ねぇ、こんなキモチになったの初めてですぅ。」



…なんなんだ?俺、口説かれんのか?



「なんか、こう…フワフワしてるみたぁい。」

「いや、酔ってんだろ?」

「…酔ってるぅ?」

「ああ、メチャメチャ酔ってるように見えるけど…。」


すると、大阪のオバチャンみたいに、手を叩きながら大声で笑い始めた。



「やぁだぁ、上杉さぁん!

私ぃ、未成年ですよぉ?」


「…このヨッパライ。」


「ホントですってばぁ。」


「ハイハイ。マナチャンは未成年のガキンチョなんですね?」


泣き上戸よりは、笑い上戸の方がマシだが…テンション高すぎるのは、付き合ってられん。



「え~?ガキンチョじゃあないですよぉ。

もぅ立派な大人ですぅ。

ちゃあんと独り暮らししてますしぃ。」



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