甘い夏  煙草の匂い



すぐに、真那にメールを送ると

『今日は休みなので、家の事をやって、大人しくしてます。

上杉さんも、お仕事頑張って下さい。』


…だって。


なんか俺、愛されてる?

ウキウキしながら、自宅に戻った。






「よ。」

「お。」


軽い挨拶して、進也が俺んちに入ってきた。


「んで?話って?」


…思い出した。いい気分だったのに。


「これの為に、秘書から呼び出しくらった。」


ヒラヒラっと、写真を落とす。


「おっと…ん?」

「こっちには、過激なお言葉が…。」

「…うわぁ。もう、警察に届けた方がいいな?」

「それだけじゃねぇだろ。なに、チュウしようとしてんだ?」


ドカッと勢いよくソファに座ると、反動で後ろにゴロンとしそうになった。


…これだから、無駄にデカいソファは!



「チュウ?…あぁ、蛾だよ、蛾。」

「が?」

「蛾。窓開けて走ってたら、入り込んできたんだろうな。髪の毛に止まってたから、捕まえようとしてたんだよ、ほら。」




< 135 / 206 >

この作品をシェア

pagetop