甘い夏  煙草の匂い









「…。」


じっくりと時間をかけ、真那に何があったのかを百合子に説明した。

「えぇ?」「うそぉ!」などと聞いてくるかと思ったが、ずっと黙ったまま俺の話に耳を傾けていた。


「…それで?ここに住まわせるの?」


問題は…そこなんだよな?


「まぁ…社長が退院するまでの2、3日だけどな。」

「あたしんちに来てもらってもいいよ?明日からまた海外だから、気兼ねないし…」

「それも考えたんだけど、真那の体調がどこまで戻るか…。俺も明日仕事だけど、夜には戻るし。」

「そっか…そうよね。万が一、誰かがいれば安心だしね…。」



コイツもコイツなりに、真那の事を心配しているんだろう。


と言うか、ここにいる誰もが心配でたまらない。


改めて、真那の存在の大きさに気付く。



早く起きて、また笑顔を見せて欲しい…。






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