甘い夏 煙草の匂い
「ありがとうございました。なんか…全部飲んじゃいました。」
少しだけ笑って、空になったマグカップを見せる。
「そっか。おかわり持ってくるな。」
「あっ…でも…」
「それだけ体が水分を求めてる証拠なんだよ。腹に入るだけ飲め。」
「はい…」
「…なんだよ?」
返事の後に、クスクスと笑う真那。
「…なんか、お医者さんみたいですね?上杉さん。」
…受け売りだけどな?
「あの…お風呂は…」
「あぁ…やっぱ、今日はダメ。」
「えぇ?」
「ぶっ倒れたヤツが、何言ってんの?後で濡れタオル持ってきてやるから。」
「じゃあ、せめて着替えたいです…」
「わかった。も一回ポ〇リ持ってきたら、用意してやるから。待ってな。」
「…なんか、ホントにお医者さんみたいですね…」
…全て、受け売りです。つい数分前の…。