甘い夏  煙草の匂い



キッチンに行き、ポ○リのおかわりを作っていると、米が炊けたとジャーが知らせる。


「真那、ご飯が炊けたけど、なんか作るか?」

「えっ?…上杉さんが?」

「まぁ、簡単なモンなら。目玉焼きとか…?」


ベッドサイドに座り、マグカップを真那に手渡す。

また小さくクスクスと笑い、少し首をかしげ…


「…じゃあ、甘えてもいいですか?」


そう言って、俺を見上げる。



…だから、反則だってば。それ。

甘えてほしいに決まってんだろ?それとも何か?俺を試してんのか?


…イヤイヤ、冷静になれ、俺。


「何が食いたい?」

「ん~…おにぎりが食べたいです。」


おにぎり?


「そんなんでイイのか?」

「はい。」

「力つかないだろ??」

「そんな事ないです。お米は総合栄養食ですから。」

「…オッケ。わかったよ。」



そんなカワイイお願いなら、何万回でも聞いてやる。






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