甘い夏 煙草の匂い
拷問だろ?これは!
「ただいま…あぢぃ。」
我が家のように入ってくる進也。
「…おかえり。」
「真那は?」
「…寝室で熟睡中。」
「まだ起きないの?」
「いや、起きた。」
「は?2度寝?」
「あぁ。」
「…なんだ?元気ねぇな。」
ソファでぐったりしている俺を覗き込んできた。
「…なんでもねぇよ。それより、荷物は?」
「あぁ、それがさ…」
進也が何かを言いかけた時、玄関のドアが元気に開いた。
「ただいまぁ!あ~暑かったぁ。」
…だから、俺んちなんだけど…?
百合子は部屋に入るなり、ドサッと荷物を置いた。
「大変だったわよぉ。アパートに警察来ててさぁ。」
「警察?」
「最近の警察は優秀ねぇ、まだ通報してないのに…」
「んなわけあるか。」
「でも、隣の部屋を調べてたみたいよ?おかげで真那の部屋に入れなかったんだからぁ。」
「んじゃ、この荷物は?」
「あたしの服。とりあえずこれで我慢してもらおうと思って。」
…とりあえずって量じゃねぇぞ?