甘い夏 煙草の匂い
衝撃の事実と出会いに感謝
スヤスヤ眠る真那を横目で睨みつけ、煙草を大きく吸い込んだ。
「…そもそも、なんでジョシコーセーがここにいるわけ?」
「いや、高校には行けなかったみたいだよ。」
「ふ~ん…複雑な事情?」
「…百合子からは、何も聞いてない?」
「聞いてねぇよ。」
進也は煙草に口をつけ、最後の一吸いを吸い終え、火を消した。
「…龍、ベランダ行こうか?」
「…あぁ、煙いな、この部屋。
一応、未成年がいるし?」
「…それもある。」
「?」
俺は冷蔵庫から新しいビールを持ち出した。
進也は灰皿と煙草を持ち、ベランダにあるベンチに腰掛けた。
缶ビールを開けてから、進也が話始めた。
「…あのコ、本当の両親はいないんだ。
数年前、大地震で亡くしたらしい…。」
「ふ~ん。それで?今ココにいるのと、なんの関係があんの?」
俺も缶ビールを開けたが、あまり呑む気がしなく、そのまま置いといた。
「…今、養子縁組していて、父親がいるんだが…。」
「めでたいじゃねぇか。」
進也はグビッとビールを一口呑んで、こう言った。