甘い夏  煙草の匂い



事務所に送られてきた写真とメールの文章。


「『ジャマモノ』って、結局は俺だったのかな?」


進也はクスリと笑って、写真をテーブルに置いた。


「まだヤツの犯行って決まったワケじゃないけど…な。」

「でも、龍太んちにいる間は安心かな?」

「…。」

「…龍太?」




進也に「安心だ」と言われても、イマイチしっくりこない。

昼間感じた、得体の知れない…このモヤモヤ感…。


このモヤモヤがなんなのかまだ解決しないが、とりあえず心の詰まりを出してみよう。




「なぁ…進也って、真那の事をどう思ってる?」

「なんだ?いきなり…」

「いいから、どう思ってんだよ?」

「どうって…前にも言ったろ?妹みたいなモンだよ。」


想像通りの答え。しかし、モヤモヤはまだ晴れない。



「ただの妹にしちゃ、可愛がり過ぎだろ?」

「お前だって、異常なほど可愛がってんだろ?」

「俺は真那に恋愛感情を抱いているんだから、当たり前だろ?」






< 170 / 206 >

この作品をシェア

pagetop