甘い夏 煙草の匂い
「ってことは、何か?俺も恋愛対象に真那を見てると?」
「違うか?」
「当たり前だろ。勘弁してくれ。」
「なんでだよ?」
「アイツがいるだろ?」
「百合子がいたって、好きになる可能性はあんだろ?」
「俺はない。」
「本当にないって言いきれるか?少しはいいと思った事あんだろ?」
一度開いてしまった心の扉から、全てのモヤモヤを吐き出してしまいたくて、進也に絡んだ。
「…龍太…いい加減にしろよ?」
「…わりぃ。」
「…お前も疲れたろ?今日は早く寝ろよ。」
「あ、ソファでな」と言い残し、進也は部屋を出て行った。
…まだスッキリしない。疲れているのか?いや、違う…。
とりあえず進也からは予想通りの答えが聞けた。もちろん、浮気するようなヤツでもない。
けど、事務所でこの写真を見せられた時の…違和感…。
…。
あぁ、クソォ!全然スッキリしない!
この原因の半分は、途中で寝てしまった真那にあるだろう…。
…お仕置き決定。