甘い夏  煙草の匂い



シャワーを浴びている間に、準備されていた食事とビール。

世のサラリーマンって、奥さんにこうやって毎日癒されてんのかな?

サラリーマンに転職…など、ライブを前に不謹慎な事を考える俺。


「いただきます。」

「いただきます。」


隣で真那も手を合わせ、さっき買ってきたモンブランパフェを食べ始めた。



「ん~!おいし~♪」


足を小さくバタバタさせて少しずつ味わっている姿がカワイイ…。


「そんなにうまいか?」

「ハイ!上杉さんも食べますか?」

「いや、俺はこっちの方がうまい。」

「あ…ありがとうございます。」

「明日も買って来るよ。」

「あっ…ごめんなさい。明日はパパの家に帰ります。」


え?もう?早くね?


「今日、お見舞いに行った時に昨日の事を話したら、ちょっと早いけど退院の許可を貰えたって…」


あ~そ~。あのひげオヤジ…。そんな無理しなくたって…。


「あの、上杉さん…。ホント、助けて頂いてありがとうございました。」


半分位食べたモンブランパフェをテーブルに置き、俺に向き直って頭を下げる。




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