甘い夏 煙草の匂い
「ごちそうさまでしたっ!おやすみなさいっ!」
パフェを食べ終え、逃げるようにソファを立つ真那の腕を掴む。
「待て、こら。逃がすか。」
「え?…な?」
「俺のデザートは?」
「あ…ごめんなさい。今持って…」
冷蔵庫に目線を移した真那を引き寄せて、膝の上に座らせる。
「きゃ…!」
「『覚えてません』は、ねぇよなぁ。」
持っていたパフェの器とスプーンを取り上げ、テーブルに置く。
「だ…だって…」
「盛り上がってきたトコで、寝ちまうし。」
「盛り上がって…って?ホントに言ったんですか?…私…」
「ホント。」
「キス…したんですか?」
「した。」
「それじゃ…その…あの…」
目をキョロキョロさせながら、必死で言葉を探している。
「…その先はシてねぇよ、お前が寝ちゃったからな。スル気満々だったけど…。」
「…っ!」
「だってそうだろ?真那にキスしろって言われて、あんなエロい声で喘がれて。」
真っ赤な顔で、俺から離れようと必死で抵抗するが、腰に腕を回してキープする。