甘い夏  煙草の匂い



「そういや、お前んトコの社長、入院したって?」

「あ、でも今日退院したみたいです。」

「そっかぁ。糖尿だろ?俺も気をつけなきゃなぁ。」

「やめてください。まだそんな歳じゃないでしょう?」

「もうそんな歳だよ。お前の色気に嫉妬するぐらいな。」

「倉島さんにそんな風に言われるなんて…テンション上がりますよ?俺。」



ハハハと笑いながら、喫煙室を出ていく倉島さん。




…色気…ねぇ。


ハッキリ言って、自覚は無かった。進也も栄四郎も教えてくれないし。

でも、確かに歌ってる間は、真那の顔がチラついていたと思う。



…色気…かぁ。



昨夜の真那は色っぽかったなぁ。

身体中ドコを触っても敏感に反応して…いやいや。


完っ全に、病気だな?俺。


でも、健康男児な証拠だろ?



そう自分に言い訳していると、ポケットにしまったばかりの携帯が鳴り響いた。




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