甘い夏  煙草の匂い


「も…ダメぇ…あぁっ!」


激しく痙攣した彩を見て、俺も昇りつめる為に自分本意に動いた。



「…で?」

「え…?」


終わった後のまったりモードの中、彩が聞いてきた。


「彼女。どんな人なの?

同業者?」


「いゃ、まだ彼女じゃねぇ…。」

「は?」


ビックリし、上半身だけを起こす。


…胸、丸見えですぞ?


「へぇ~…片想いですかぁ?

上杉さんがねぇ…へぇえ~。」


嬉しそうに頷く彩。



「…うっせ。」


「でも、まだ自分モノじゃないんでしょ?

セフレ全員と手を切るなんて…大丈夫なの?」



大丈夫なの?…って。

俺はサルか…?



「…なんて言うか…。

ハンパのままじゃいけないかなっ…て。」


「ふ~ん…いいんでないの?」



…上から目線ですか?


でも、彩とは、この距離が心地よくて…。



お互いの体は知りつくしているが、心の中までは踏み込まない…。


上手に“割り切った関係”を続けてきた俺達。




…彩にも、ちゃんと本命がいたから。




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