甘い夏 煙草の匂い
…まあ、今日だけの付き合いだろう…。
マナちゃんの仕事中にはほとんど会話ないし…留守が多いし。
疲れた身体で気ぃまで使いたくないが…まぁ、あまり会話をしなければいいや。
「「かんぱーい!」」
4人が座ったところでとりあえず乾杯し、家政婦が作った料理をつまんだ。
「あ、うまい。」
つい出た俺のセリフに、すかさず百合子が
「でしょう?真那の料理はムチャうまいんだから。」
「百合子が威張ってどーすんだ?なぁ、真那ちゃん。」
進也はそう言うと、マナちゃんの顔を覗き込んだ。
目があうと、ふふっと微笑み返している。
「これもぉ。おいしっ。また作ってねぇ。」
「はい。ありがとうございます。」
百合子も…2人とも、まるで子供をあやすように話しかけている。
このバカップルが。
「…何?っつーか、いつの間に仲良くなってんの?」
素朴な疑問を投げ掛けてみた。
「え~?割りとすぐだったかなぁ。ねぇ?」
「ん。俺は百合子に紹介されてからだな。」
…知らなかった。
進也とは同じバンドメンバーなのに、そんな話を聞いた事なかった。