甘い夏  煙草の匂い



…そうだ。料理の追加の件、聞いてみるか。


「そういえばさぁ…。」

「何ですか!?」

「…何?まだ、むくれてんの?」

「…むくれてません。」


バツが悪そうに、小さくなって答える真那。

小さい体が、より一層小さく感じる。


首筋から肩にかけてのラインもシャープだし、足首なんかはポッ○ーのようだ。

いつも少し大きめのTシャツを着ているけれど、腰もやたら細い。

…あれかな?やっぱり、成長期にあまり食べさせてもらえなかったり…



「…あの、何か?」



…やべ!今、ジロジロ見てたか?俺!


「いゃ…今日も蒸し暑いから、エアコンかけるな。」



平常心、平常心…と、心で唱えながら、エアコンのリモコンを手にした。

ピッとつけた後、真那が遠慮がちに言った。


「でもっ、電気代…」

「はぁ?別にこれ位い~だろ。」



電気代って…そんな事、気にするか?フツー。



そう思い、顔を洗う為に洗面所に向かった。



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