甘い夏 煙草の匂い
ガタガタと震える体。カチカチと震える歯…。
…イチかバチか…。
…どうか、嫌われませんように。
都合のいい時の神頼みをし、もう一度震える強く抱きしめる。
真那の顎を持ち上げると、震える唇に優しくキスをする。
ただ優しく触れるだけのキス…こんなキスも、いつ以来だろうか…。
少し口を開け、今度は真那の唇全体を覆うようにキスをした。
「…ん」
真那から声が漏れる。唇の震えも…小さくなってきた。
…もうちょい、震えてくれててもいいのに…。
不謹慎な事を思いながら、名残惜しくも唇を離す。
真那は大きく目を見開き「何で?」と言う顔で、俺を見ている。
良かった。焦点があってる。
「…真那。もう、大丈夫だからな…。」
優しく背中を擦る。
まだ少し呼吸は荒いが、落ち着いてきたようだ。
まだキョトンとした顔をしている真那…。
この前も思ったが、表情がコロコロと変わる…ホント、カワイイやつだ。