甘い夏 煙草の匂い
「みんな?」
「あたりまえ。」
「…本気なのか?真那の事。」
「もちろん。」
だめだこりゃ…とでも言いたそうに、大きなため息をついた。
「なんで?ここ数年、誰と会っても本気になんかならなかっただろ?」
…進也の言うとおりだった。本気で人を好きになったのなんて、ホントに久しぶりだった。
数年前、上京してきたばかりの俺には、彼女がいた。
地元から一緒に上京させて同棲していたが、男を作って出て行ったのだ。
それからは彼女は作らず、特定のセフレが数人いるくらいだった。
「…俺は別に、真那を16として見ていないからな。」
「どう見てるわけ?」
「一人の女。」
「…そう思うのは勝手だけど、相手がお前の考えに付いていけるかが問題だろ。」
ごもっとも。
「でも、社会人として働いてるからには、大人として扱ってやらないとだろ?」
「…ヘリクツ。」
…ごもっともでございます。