甘い夏  煙草の匂い




トイレから戻ってきた百合子が仁王立ちになっていた。


「とにかく!これ以上真那に近づく事は許さないからね!

今日、掃除の日でしょ?龍はさっさと出て行く!」



おいおい、俺んちですけど…?

キャラ変わってますよ…?ねぇさん。






-ピーンポーン-


「来た!」

餌を待っていた犬のように、慌ててインターホンモニターに向かう。

「あ、コラ!」

その犬を追いかけるように、百合子が咎める。


ドキドキドキドキ…

高鳴る鼓動を抑えて、インターホンに出る。

「はい?」

「あっ…。」


モニターには、固まった真那。おそらく、誰もいないだろうと思っていたのだろう。

「…どうぞ?」

「はい…お邪魔します。」


オートロックの鍵を開けてあげると、しばらくして真那が入ってきた。

「…失礼します。作業に入らせて頂きます。」



どこかオドオドした様子の真那。

この間のキスでビビっているのか?



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