甘い夏 煙草の匂い
「真那ちゃぁん!」
「あ!百合子さん。」
百合子と進也の顔を見て、ホッとしている。
…俺だけだと思ったから、そんなにオドオドしてたのか?
ちょっぴりキズついたハートは、隠す事にした。
「…百合子は、これから仕事だよなぁ?」
早く帰ってくれ。
「わかってるわよ!その代わり、進也は置いて行くわよん。」
「は?」
何で?進也の方を見ると、バツ悪そうに肩を上げる。
「…うまくまとまらない歌詞があるって言ってたろ?それを見にきたんだよ。」
「今日じゃなくても…。」
「明日は栄四郎と合わせるんだろ?それまでにまとめておきたいって言ってたろ?」
…そうでした。でも、今じゃなくても…。
仕方ないか。
「俺達、寝室の方で曲作ってるから。よろしく。」
「はい。」
すでに作業に取り掛かっている真那。今日は薄いオレンジのエプロンだ…カワイイ。
そう思いながら、進也と2人で寝室に入った。
広めの寝室は、防音装備が完備されている。ベッドの他にも楽器などを置き、進也と2人で曲を作ったりしている。