甘い夏 煙草の匂い
「…2時間で仕上げよう。」
真那の作業時間は2時間半。もたもたしていると、さっさと帰ってしまう。
「…そりゃ、上杉先生次第だろ。」
呆れた様子で、半分睨む。なんとでも言え。
なんとか曲が形になって、あとは栄四郎と合わせてみようという事にまとまった。
ふと時計を見てみると…げ!もうこんな時間?
曲作りに籠ってから、2時間20分が経過していた。
「やべっ!」
「あぁ…、もう帰ったんじゃない?」
「…確信犯か?」
「んなわけないだろ。」
進也にかまってられない!急いで寝室を飛び出すと
「きゃっ!」
真那とぶつかりそうになった。
「あ、悪ぃ。」
「いえ…。」
後ろから進也も顔を出す。
「あれ?まだいたの?」
「はい、これが終わったら帰ります。」
真那の手には洗濯物があった。これから畳むらしい。
「そっか。じゃあ、またね。」
ナイス!進也!
「えっ…帰っちゃうんですか?」
…おいおい、そりゃないでしょ?