甘い夏  煙草の匂い



真那の体を抱きしめたまま、動かないでいてみる。


…どんな反応するかな?


「…。」

「…。」


しかし、真那も何も言わず、動かない。


いつの間にか降ってきた雨の音が、部屋に響き渡る。


「…また降ってきたな。まだ梅雨明けしないんだな。」


沈黙を破り、囁くように話しかける。


「はっ…はいっ!」


必要以上にビクンと跳ねる体。声も裏返っている…。

緊張…していたのか?


そんな真那の反応を愛しく感じながら、首筋に顔を埋めた。


「や…ちょ…!」

肩をすぼめて、抵抗しようとしている。

「ん?」

「や…くすぐったい…です。」


控え目な声だが、間近にいるので聞き取れた。


「…じゃあ、こっち向いて?」

フルフルと頭だけ横に振る。

「じゃ、やめない。」


頭をより深く埋め、白い首筋にキスをした。


「あっ!…」


カワイイ声を漏らし、体を捻らせる。

俺の腕から逃げようと頑張る姿が、また愛しく感じる。


そのまま隣にあるソファへ真那を寄りかからせた。




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