甘い夏 煙草の匂い
運転手はウーロン茶で。
なんとかユデダコ社長から逃れてきた。
社長を殺人犯にせずに済んで、ホッとした…。
しかし、疑問点は残る。
「なぁ…ホントに、真那を俺んちに住まわせちゃマズイかなぁ?」
ブッとビールを吹き出す進也と栄四郎。
今は仕事終わりに、3人で個室のある居酒屋に来ている。
仕事の後に一杯やりたいのは、サラリーマンも俺達も一緒だ。
「龍…もう酔ったのか?」
「呑んでませぇん。ボク、ジャンケンに負けたからねぇ。ちゃんと君たちを送り届けますぅ。」
「栄四郎…コイツを相手にするな…。」
めずらしく俺と真那の事を聞きたがった栄四郎に、事細かに俺の想いを説明した。
「ふぅん、マジなんだぁ。」とニヤニヤしていたが、進也や社長ほどは反対しなかった。
ま、反対しても聞かないけどね…。
「だって、心配じゃね?」
「「何が?」」
「真那のアパートに行ったのは昨夜。んで、写真が届いたのは今日。って事は、俺達の素性は知っているって事だろ?
これから狙われる可能性も…充分にあり得るだろう。」
う~ん…と腕組する2人。