甘い夏 煙草の匂い
「そうなん…ですか?」
「まぁ、何かあれば、子供の俺達に連絡ぐらいあるだろ?連絡ないって事は、テキトーに生きてんじゃね?」
「俺達…?ご兄弟が?」
「あぁ。妹がいる。
俺なんかと違ってしっかりしててな、もう結婚して子供もいるんだ。」
フイっと、何か言いたそうに顔を向ける真那。
しかし、ポタポタと落ちてきた雨の雫に、会話は途切れてしまった。
「ちっ、またか。」
とりあえず車に戻った俺達。車内は蒸し暑かったので、エンジンをかけクーラーをつけた。
煙草を吸おうかと思ったが、窓を締め切ったままでは煙くなるだろう…と思い、やめた。
「さっき…」
「え?」
ふと隣を見ると、手ぐしで髪を整えていた。
くぅ…いちいちカワイイ!
「さっき、何か言いたそうじゃなかった?」
「あ…いえ、なんでも。」
フルフルと首を横に振る。
「言わないと…キスするぞ?」
「も…もぉっ…!」
サッと身を縮ませながら、プクッと膨れて俺を睨む。