20の希望
すぐにマスコミが押し寄せる。
生存者は病院へ、しゃべる力があるものはマスコミの取材をうける。
私はほぼ無傷だった。
おそらく私のところにもマスコミはくるだろう。
そうだ、そのとき言えばいい。
爆発したファミレスで指名手配犯が読書をしていたことも言うんだ。
そうすれば犯人もじきに捕まるだろう。
叉我山仁・・・ 彼は本当に世界を滅ぼす計画を立てていたのだろうか・・・

どうしてか私にはそうは思えない。
なぜかはわからない・・・

だがおそらくあのファミレスでのことだろう。
目が違った。
指名手配の男は目は汚れ、怒りに満ちた目をしていた。
だがあの男はちがった。
ファミレスの男の目は透き通るようなきれいさだった。
怒りや憎しみなどもない・・・
そんな目をしていた。

マスコミが僕のところにも来た。
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