20の希望
「あ、そうだ。ちょっとパソコン貸して。やることあるから」
「やること?」
「あんたには関係ないでしょ!いいから貸しなさい!」
「いやいや、関係ないってことはないだろ。いちおう同居してるんだし。ってかお前はなんなのかとかまだ俺知らないし!」
「・・・・・」

禁句だったか?いや、そんなのおかしい。同居しているならそれなりの理由があるはずだ。そもそも俺の記憶がなくなる前からこいつはいたのか?いままではまったく気にしてなかったけれども一度気になるとなかなか頭から離れない。どうせ離れないならばたとえどんな答えだったとしても俺は知りたい。どんなこたえでも俺は受け入れる。だがぴいちの口からはその件に関しては一切出てこなかった。

だがどうも気になるのだ。
これ以上知ったら俺は危険だ・・・
知ってはいけないんだ!引き返すなら今のうちだ!いま引き返しておけばいつもどおりの日々が続くんだ!
でも・・・ 人間は目の前にあるものだけでは満足することができない。
人間はなにかと刺激を求めたがる。だから・・・ もう俺は・・・ 引き返せなかった・・・


ぴいちがパソコンを使い終わったと言うので俺は知恵袋を確認する。
返信が・・・ 3件か。
この中に答えがあればいいのだが・・・・・


一件目《6080atukutami》
『よくわかりませんが実際に作ってみたらどうでしょう。
 暗黒な感じで自然に、木工用の卵スープを』

どう作れというんだ。


二件目《uoyuokom》
『嵐田重道の元ホームページ。嵐田重道ってのは漫画家。
 なん個か作品出してるけどまったく売れてない。
 正直嫌い』

ひどい言われようだが俺が昔やっていたホームページだと?
十分な情報が手に入った。

ちなみに嵐田重道というのは俺のペンネームである。


三件目《イ・ジープ》
『ETIソロ区 に行ってみろ。亜陀世オマ府会s泣く これでわかるか? 得て草津
 わかったな?』

意味わからん。
暗号?まあこれは無視しておこう。


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