†人魚姫と海賊†~~mermaid&pirate゙LOVE~
第六章
「昔、ボク達が小さい時、美しい歌声を聞いたんだ。
それは、忘れることなんてできないくらい…美しかった。
不思議なことに、海の方角から聞こえるんだ。
レオンは言ったよ『こんな歌声を持つ人なんて、いない。きっと人魚だ』ってね。
ボクは信じられなかったけど、レオンは信じてるみたいだ。
あれから、毎日歌を聞いた場所に行っていたし…
今では、レオンは毎日と言っていい程、海を眺めているよ」
―無意識なんだろうけどね。
そう言ってメルはクスリと笑った。