fall in labo〜恋する研究室〜
1人帰ってくると、あとは早い。

次々と帰ってきて、研究室は元通り賑やかになった。

カワサキもダイキくんが帰ってきてからすぐに自分の席に戻ってしまった。

さっきまではあんなにときめいていた場所も、今となってはただのイス。

私はため息をかみ殺してイスに座った。

窓から空を眺める。

カワサキがしていたように。


「いい天気ですね。」


突然話しかけられ振り返ると、シゲヤマだった。

まぁ、隣はシゲヤマの席なんだから当然なんだけど。


「はい、そうですね。」

「その席に座ると、空が気になるんですか?」

「さぁ?どうでしょう?」


知らないよ、そんなの。

私はただ、カワサキが見てた世界を見てみたいだけ。


「川崎くんも、よくそうやって見てましたよ、空。」

「そうなんですか……。」


わかってる。

さっき、本人から聞いたから。

シゲヤマはそれからすぐに研究を始めた。

私も、勉強しよ。
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