fall in labo〜恋する研究室〜
「ほら、私の話ばっかりするのってフェアじゃないじゃん?」

「フェアって……。だいたい、私がムリヤリ聞いたわけじゃないし。ダイキくんが勝手に喋ったんだよ?」


こっちの方がフェアじゃない。


「ねっ、若菜ちゃん。カワサキさんのどこが好きなの?」


よくこのタイミングでその話が振れたな!


「あのねぇ、ダイキくん。そんなこと、言うと思う?」

「……言わない、と思う。」


私の気迫に押されたのか、ダイキくんは引きつった笑顔で答える。


「大樹、若菜はね、言わないんじゃないの。言えないの。」


何か悟ったように浩実が言う。


「あぁ、そういうこと、あるよね。」


ダイキくんもわかったような口ぶり。


「あのさぁ、あんたたち私の何を知ってるのよ?」

「んー、あんまり話してくれないからねぇ、若菜は。」


勝手な推測はやめて!


「若菜ちゃん、好きなら素直になった方がいいよ。俺が手伝うから。」

「お願い、そっとしといて。」

「大丈夫、大樹だから。」

「だから、意味わかんないって!」
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