fall in labo〜恋する研究室〜
「今日の2年生の実験は、カワサキとシゲヤマ、あとは……3年生。手伝ってくれるか?」


お昼休みに入る前、先生が事務的に言った。

実験の手伝い、か。

私がカワサキと初めて会ったのも実験だったな。


「先生、3年生じゃ心配です。私たちが行きますよ。」


ミナミさんが先生に不服そうに言う。


「4年生は卒業も近づいてるし、研究に集中してほしいんだよな。」

「少しくらいなら、平気ですよ。」


ミナミさん、何としても実験に出たいらしい。

って言うか、カワサキと離れたくないだけか。


「でもなぁ……、3年生でも大丈夫だろ?院生もいるし。」

「なんとかなると思います!」


ダイキくんがハッキリと言った。

その自信はどこからくるのか……。


「ね、若菜ちゃん。大丈夫だよね?」


できれば私に振らないでほしいんだけど。


「ん、うん。大丈夫……だと思う。」

「よし、じゃあ、休みが終わったら4年生以外は実験室に白衣を着てくるように。」


そう言うと、先生は研究室から出ていった。


「若菜ちゃん、俺が上手くやってやるから。」

「……何を?」

「任せとけ!」


二ヒヒと笑うダイキくんは何か企んでるみたいだった。
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